2011年9月29日木曜日

末期白血病患者を全快させた、遺伝子操作の新技術

ペンシルバニア大の報告。
患者のT細胞に遺伝子改変を施し、体に戻すという新しい治療法により、末期の慢性リンパ急性白血病が完治したとのこと。

より簡単に言えば、T細胞の遺伝子を改変したら、「手の施しようがない」と診断されるレベルの末期白血病患者2人が完治、1人が寛解した、ということになる。

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1103849
(解説:http://journals.lww.com/oncology-times/blog/onlinefirst/pages/post.aspx?PostID=285


2011年9月27日火曜日

ハゲの人に朗報!(かも)--毛が生える「スイッチ」解明される?

ハゲに光を! いや、光が暗くなるって話なんですがね。

毛が生える仕組みが解明されつつある。
米エール大 エリック・ファスタらは、マウスの毛根の周りに存在する”脂肪前駆細胞”が、毛髪の休止期から成長期にかけて活性化し、皮膚幹細胞を再生に関与するとともに、毛包の幹細胞の活性化にも必須であることを明らかにした。
さらに、毛包の活性化にはPDGF(血小板由来成長因子)が必要であることも見いだした。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21884937
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110925-OYT1T00742.htm

2011年9月25日日曜日

昆布で蓄電量10倍に

ジョージア工科大学 コヴァレンコらの報告。
http://www.sciencemag.org/content/early/2011/09/06/science.1209150

いわゆるリチウム電池の負極に昆布などからとれるアルギン酸塩を使用することで、電池の容量が10倍になることがわかったという。

これまでにも、負極に使われている黒鉛のかわりにシリコン粒を使えば電池容量が増やせることはわかっていたが、シリコンは充電すると約4倍にふくらんで電池を破損してしまうため、実用化が難しかった。
しかし、柔軟なアルギン酸塩を使用することでシリコンを使っても破損しない電池を作ることが可能となった。また、いままで黒鉛などの素材をまとめるのに使用していた素材と異なり、アルギン酸塩は水溶性の天然物質なので環境に与える影響が少なく、またいなどの利点がある。製造コストも安くなるなどの利点がある。


2011年9月22日木曜日

世界初の「完全」人工光合成に成功

トヨタ自動車グループの豊田中央研究所(愛知県長久手町)は20日、太陽光、水、二酸化炭素(CO2)のみを使った人工光合成に世界で初めて成功したと発表した。CO2吸収だけでなく、バイオ燃料の生成も可能といい、環境問題の解決策として注目されそうだ。


人工光合成の研究は、1970年代から世界的に進められている。ただ、高濃度の紫外線や、特殊な薬品を使用する必要があり、植物と同様な自然状態での光合成の成功は例がなかった。


今回の研究では、光合成の作用のうち、水を分解して酸素を作り出す反応を半導体に、CO2から有機物を取り出す働きをもうひとつの半導体と特殊な金属に担わせることで「自然状態」での光合成に成功した。有機物として酢酸に似たギ酸が生成されるが、アルコール成分などバイオ燃料の生成も可能という。


梶野勉・主席研究員は「CO2を『資源』に活用できる可能性が開ける。エネルギー問題の解決につながれば」と話している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110920-00000558-san-soci

トヨタ研すげえ! 


2011年9月21日水曜日

サメのエキスでウイルス撃退


サメはウイルスに感染しないとか、他の魚がかかる感染症にかからないことが知られており、体内に独自の免疫機構か、あるいは抗菌物質を持っているのでは、と言われていた。

そんななかで1993年、ジョージタウン大学のザスロフは、ツノザメから「スクアラミン」という、コレステロールと類似した物質を抽出することに成功した。
この物質は癌や目の病気に効果があるらしいことがわかっており、現在すでに数百人規模の臨床試験に供されている。

スクアラミンが注目されているのは、その機能がこれまで知られている抗ウイルス物質はおろか、既知のあらゆる化学物質と異なる点にある。

そして今回、このスクアラミンがヒトに感染するデング出血熱ウイルスやB型・D型肝炎ウイルスの感染を阻止する能力があるようだ、という報告がなされた。
http://www.pnas.org/content/early/2011/09/13/1108558108.full.pdf+html

2011年9月20日火曜日

ゲーマーがHIV患者を救う?

科学者達が10年かかって解析できずにいたある酵素の構造解析を、ゲーマー達が3週間で成し遂げてしまったというお話。


この酵素はM-PMV retroviral proteaseと呼ばれるもので、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)などのレトロウイルスの分子を切断する酵素であり、うまくすればレトロウイルス感染症の解決につながるかも知れない、というシロモノ。
しかし、酵素が発見され、DNA解析が終了し、アミノ酸構造がわかってから10年もの間、この酵素を臨床に応用することはできないままに終わっていた。


2011年9月19日月曜日

能登雄一のお仕事リスト

■仕事に効く、脳を鍛える、スロージョギング

110910

角川新書から。ビジネスマン向け。
「走る」とどんな効能があるかをまとめたり、どんな走り方がいいかってのを詳細に書いたりって感じのアレ。
スロージョギングは最近NHK(ためしてガッテン)とかでよく見るようになったりしてて、けっこう広まってきてる感じ。
本書はそのスロージョギングの提唱者の田中先生と、脳科学の第一人者久保田先生(じつはマラソン仲間)との共著。
能登はインタビュー&ライティングを担当。福岡まで行って取材--のハズが1時間くらいインタビューしたらあとは福岡うまいもの巡りになったとか、名古屋行きのときは愛知DACと日程がかぶって死ぬ思いをしたとかいろいろ思い出の詰まった一冊。
ホントはもっと人類の進化のこととか書きたかったにゃー。