2011年12月9日金曜日

辛さの秘密は虫の死骸にあり

世界”最辛”の唐辛子がオーストラリアで開発されたそうな。

この” Trinidad Scorpion Butch T.”は従来のハラペーニョの300倍の辛さだとか。
うひー。


さて、この「からさ」はカプサイシンという物質ができることで生み出される。

カプサイシンは動物、特にほ乳類からの食害を防ぐために作られているんだろうと考えられていたんだけど、どうもそれだけではないらしい、ということが近年明らかになってきた。

たとえば、ボリビアの研究者はカプサイシンが多いほど、有害な菌類の繁殖が少なくなることを見いだしている。
つまり、カプサイシンによって動物だけでなく菌からも身を守っているということが出来る。


さて、このカプサイシンを大量に分泌させることが『辛い』唐辛子を作るポイントになるわけだが。

唐辛子やシシトウを栽培したことがある人はわかるかもしれないが、けっこう辛さをコントロールするのって難しいんだよね。
肥料とか水のやり方工夫しても辛さが一定にならなかったりとか。
逆に、辛くなったシシトウのそばでピーマン育ててるとピーマンも辛くなったりするし。


とか思ってたら、このButch T作った唐辛子栽培の専門家が、”clever growing techniques”を教えてくれたのでご紹介。

ポイントは簡単なことだ。

いわく、「虫が一杯死んでるコンポストや肥料を使うこと」

虫(ミミズなんかも含む)の死骸のエキスはリンや窒素の豊富な肥料になるだけでなく、その成分が入ることで、あたかもヒトの免疫系が異物を攻撃するかのように、唐辛子にカプサイシンを合成させるのだそうだ。

よって、「辛い」唐辛子を作りたい人は園芸店で買えるような肥料や化学肥料ではなく、ミミズや虫の死骸をたくさん含んだ天然物の肥料を選んで使うと良い、ということになるのだろう。


なお、カプサイシンは神経毒性のある物質だけど、摂取することで快感とか"ランナーズ・ハイ"なんかを生み出すエンドルフィンが分泌されることが知られている。
辛いのがやめられない人ってたまに聞くけど、こういう人たちは唐辛子の、というよりエンドルフィンの奴隷になってるということもできるのかもね。

とはいえ、カプサイシンは神経細胞に「熱い」と感じさせる成分だ。
口の中でも『辛い』と思ってるときには、舌の神経細胞は盛んに「口の中が熱い」という信号を脳に送っている。
このカプサイシンが神経の集まる場所-眼とか-に入ったときの痛さたるや、なみなみならぬものがある。
取り扱いにはくれぐれもご用心を。

0 件のコメント:

コメントを投稿