2012年4月9日月曜日

レーザー核融合、連続反応に成功

レーザー核融合、連続反応に成功 光産業創成大学院大など
http://www.at-s.com/news/detail/100112956.html


レーザー核融合発電は、海水に含まれる重水素と三重水素を混合した燃料にレーザーを照射して核融合燃焼を起こし、そのエネルギーを発電に利用する理論。CO2を排出せず、原子力発電に比べ放射性廃棄物も極めて少ないため、次世代技術として注目されている。
爆縮高速点火は、レーザーで燃料を一度圧縮してから、点火する手法で、共同研究では、レーザーの連続照射装置を開発。燃料の2対の重水素の薄膜を回転させ、2方向から照射することで、核融合反応を毎秒1回のペースで連続的に起こすことができたという。今後は実用化に向けて、レーザー装置の高出力化などに取り組む。
今回の成果は9日、米国物理学専門誌「フィジカル・レビュー・レターズ」電子版に掲載される。

おおおおお!
またSFに一歩近づく発明が!




いま発電に使われてる原子炉って奴は、ウランなんかを核分裂させることでエネルギーを取り出す、いわゆる核分裂炉ってやつなんですな。
残念ながら、核分裂炉はその分裂のコントロールが難しいという問題があって、事故やなんかでコントロールが出来なくなると、連鎖的に核分裂が進み続けてエネルギーを放出し続ける=臨界状態になって、最悪(原爆と同じように)爆発しちゃう、という非常に大きな欠点がある、というのは、先日の福島原発でご覧になったとおり。

ところが、今回成功したのは「核融合」といいまして、原子の分裂ではなく、ものすごいエネルギーをかけて核燃料(たいてい重水素が用いられる)の核を融合させることでエネルギーを作り出すという方法なので、核分裂炉のように連鎖的な反応が起らないんですな。
おまけに核融合炉は核分裂炉に比べて放射性廃棄物も少ないし、稼働中の放射能・放射線漏れの危険も少ないなど、非常によいことずくめ。

「それじゃ、原子炉なんかは全部融合炉にしちゃえばいいじゃねえか」とお思いかも知れませんが、核融合炉は先に述べたようにものすごいエネルギーをかけないと起きないんです。
具体的には1億℃の温度と原子核が毎秒1000kmでぶつかるような条件(いわゆるプラズマ状態という奴です)を作らないといけないので、非常に反応の維持が難しかったんですな。

なんだよ1億℃って。小学生の適当に言った単位かよ。


今回の発表はレーザーを使うことで、連続的に(←ここ重要)燃料である重水素を核融合させ、エネルギーを取り出すことに成功してます。

まだ大規模な装置が出来たわけではないし、「連続的に」ってのは少なくとも数時間くらいのスパンでできないとなかなか発電の実用としては厳しい面もあるんですが、それでも定期的に核融合が起こせたというだけでかなり大きな成功と言えます。

いままでは「実用化できるまでに何年かかるかわからない」状態だったのが、「あと●年あれば何とか目鼻は付く」くらいにはなったわけですから。
もちろんまだまだ技術的なハードルや、物理的なハードルもいくつも超える必要があるものですが、日本企業ががんばってやってるってあたりが非常にうれしい限り。

とくに浜松ホトニクスはがんばれ。超がんばれ

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