イヤ、マジでマジで。
「グランツマン血小板無力症患者におけるコントロール不能な鼻出血に対する塩漬け豚肉を用いた圧迫止血法」
Nasal packing with strips of cured pork as treatment for uncontrollable epistaxis in a patient with Glanzmann thrombasthenia.
グランツマン血小板無力症てのは先天性の血液疾患で、かさぶたの原料になるフィブリノーゲンという物質がないために出血が止まりにくくなる病気。なのでちょっとした切り傷や鼻血、内出血なんかで死んじゃうこともある病気です。血友病と(仕組みは違うけど)同種の病気ですな。
論文によれば、グランツマン症で鼻血が止まらなくなった4才の子の鼻に「丸めた塩漬け肉による圧迫止血nasal packing with strips of cured pork 」を施したところ、2回の出血につき、両方とも24時間で止血できたとのこと。
本来なら凝固因子の注射やレーザー照灼とかが必要となるところで、ベーコン突っ込んだだけで治療できるなら、緊急時の止血のために有用であろう、と著者らは述べています。
いや、突っ込みたくなる気持ちはよくわかる。
なんでベーコンよ? とか、そもそもなんで肉詰めるの? みたいな。
ただ、実際のところ、民間療法として、古くから「止まらない鼻血にはベーコン詰めろ」ってのがあるんですな。
それをなんでグランツマン症の子に試そうと思ったのかは知らんけどw まあ止まったってことはなんらかの効果はあったんでしょうね。
科学的には「肉をくっつけることによる冷却効果」「肉に含まれた塩分による水分濃縮による凝血の促進」なんか蛾起ってるのかなーとも思いますが、一番大きそうなのは肉に含まれるフィブリンやフィブリノーゲン、あるいは患者が持っていない血液凝固因子のどれかが補充されたから、ってあたりではねえかなと。
血液を固める因子ってのは、血液の中から固める成分である「内因性因子」てのと、肉や皮が切れたところから分泌されて血を固めようとする「外因性因子」ってのがあるんですが、その外因性因子の方がベーコンという「肉」の切り口からしみ出すなりなんなりして血液凝固に寄与したんではねえかなーと。
いや、推測でしかないけどね。
なんにせよ、普通の鼻血に効くかどうかとか、鼻血以外に効くかどうかは藪の中な訳ですが、あなたも鼻血が出たら、たまにはベーコンのことを思い出してあげて下さい。
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