2011年9月27日火曜日

ハゲの人に朗報!(かも)--毛が生える「スイッチ」解明される?

ハゲに光を! いや、光が暗くなるって話なんですがね。

毛が生える仕組みが解明されつつある。
米エール大 エリック・ファスタらは、マウスの毛根の周りに存在する”脂肪前駆細胞”が、毛髪の休止期から成長期にかけて活性化し、皮膚幹細胞を再生に関与するとともに、毛包の幹細胞の活性化にも必須であることを明らかにした。
さらに、毛包の活性化にはPDGF(血小板由来成長因子)が必要であることも見いだした。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21884937
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110925-OYT1T00742.htm

皮膚はさまざまな因子で維持されたり、再生されたり、分化していると考えられており、そのきっかけになる因子もまたさまざまだ。

今回の研究でわかったことは、毛包(毛を引っこ抜いたときに根本にくっついてくる袋みたいな部分)の底にある幹細胞(髪の毛を作るもとになる細胞)の増殖は、どうも周囲の脂肪前駆細胞(これから脂肪細胞に変化する細胞)が命令を出しているらしいってこと、そしてその命令がPDGFによって行われているってことだ。

つまり、単に毛包や幹細胞が残っているだけでは毛は生えず、周りの脂肪前駆細胞がPDGFを出してはじめて毛が生えてくる、と言うことだ。

今回の発見で大きいのは、この「毛が生える命令」を出している物質がPDGFだとわかったところだろう。
PDGFは”血小板由来成長因子”という名が示すとおり、血小板が血を止めるために凝集して壊れたときに放出される物質である。これの刺激を受けて細胞が増殖したり、血管を作ったりすることから、傷口を修復するのを助けるための機構を形成している物質だと考えられていたが、近年の研究では血小板以外のさまざまな部分で作られることがわかってきている。

今回の結果はマウスでの実験結果だけど、細胞増殖の仕組みなんかは似通っているところが多いので、ヒトでも同様の結果が得られる可能性がある。

つまり、極端な言い方をすればPDGFを大量に毛包に供給できれば(そして頭皮に毛包が残っていれば)ハゲにも再び毛が生える可能性がある。

PDGFは現在、高価ながらリコンビナント(遺伝子組み換えによる合成品)が存在している。
もしかしたら近い将来、PDGFを含んでいたり、PDGFの分泌を促すタイプの毛生え薬が発売されるようになるかも知れない。

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